今更、人には聞けないメールのマナーです。知ってるようで意外と知らない常識、非常識。あなたは大丈夫?
第1章 メインメールとフリーメール
メールアドレスを、用途別に大きく分けると4つに分けられます。
1.プロバイダから提供されたメールアドレスインターネットの接続契約をした際にプロバイダから振り分けられたメールアドレスのことをさします。
2.オリジナルドメイン メールアドレス屋号や会社、組織を作った時など、オリジナルドメインを取得した方も多いでしょう。オリジナルドメインにて作ったメールをさします。
3.フリーメールアドレスGoogleが提供する「Gmail」やYahoo!が提供する「Yahoo!メール」など、無料で使用できるメールです。近年、大容量での使用も可能となりました。
4.携帯メールアドレス携帯電話のメールアドレスです。インターネットへの接続や、大容量での受信などもできるようになりました。
このメールアドレスを上手に使いこなす例として、
○外出の多いライターAさんの場合1.プロバイダからのアドレス(家族&友人用アドレス)
2.オリジナルドメインアドレス(仕事用メインアドレス)
3.フリーアドレス(メールマガジン用)
4.携帯メールアドレス(仕事用メールの転送)
○在宅で入力を行っているBさんの場合1.プロバイダからのアドレス(仕事用メインアドレス)
2.フリーアドレス(初対面用、メールマガジン用)
3.携帯メールアドレス(家族&友人用アドレス、仕事用メールの転送)
といったように、それぞれの用途によりメールアドレスを設定します。これにより大量のメールに惑わされず、必要なメールだけを確実に読むことができるようになります。
仕事用メールはフリーメールを避けましょう!フリーアドレスは、気軽に使用ができ、外出先からのパソコン環境でもメール内容を確認しやすいのですが、企業によっては、フリーメールアドレスからのメールを受信できないよう設定している場合もあります。
また、仕事上でフリーメールを使用することは、相手側もあまり良い印象をもたないことが多いようです。
※自分が反対の立場であれば、理解できますよね。
できれば、仕事用のメールは、プロバイダ支給のメールや、オリジナルドメインメールを使用しましょう。
第2章 適切な改行と適切な署名
メールの書き方については手紙のような確固としたルールがありません。それだけに自由に自分を表現することができます。とはいえビジネスの場では暗黙の了解となっている部分もあり、あまり自由にやりすぎると相手に不快感を与えてしまいます。
●本文は35~40文字程度で改行する
メールの書き方にはルールはないとはいえ、これはやっちゃダメだと言われる点は幾つもあります。まずは本文の文字数についてお話ししましょう。
電子メールソフトの多くは、本文を40文字(全角)前後で自動改行します。ですから40文字以上になると、メールを書いたあなた自身の意図せぬ所で改行される危険が出てきます。
「そんなにダラダラ文字を並べたりしないよ~」と思っている人に、ちょっと確認。空白は意識していますか? アナログのビジネス文書に慣れた人が起こしやすいミスですが、空白を文字数として換算せず、メール本文の中央辺りに案件を書き、右端に会社名や連番を入れてはダメです。空白も一文字と見なされますので、このようなメールを送ってしまうと、受信側ではレイアウトが崩れる可能性が大です。そうなると非常に見にくいメールになってしまいます。
●本文の行頭は、必ず左に揃えてください。
無駄な余白は入れない方が無難ですが、もし入れたとしたら必ず空白も一文字と考えて適切な文字数で改行するようにしましょう。
Outlook Expressでは、送信するメールの本文の文字列を指定数で自動的に改行する機能が付属しています。「ツール」メニュー→「オプション」を選択し「送信」タブを開きます。「メールの送信形式」の「テキスト形式の設定」ボタンをクリックして下さい。「送信時に自動的に文字列を折り返す」の項目で文字数の指定ができます。初期設定では「76」とありますが、これは半角です。全角38文字で改行してメールを送信します。
Becky! の場合は、「全般的な設定」→「エディタ」の自動整形桁位置のところで設定できます。初期値は「72」になっています。こちらももちろん半角の表示ですので、全角だと36文字という意味です。
ただし間違ってはいけないのが、送信時にOutlook Expressが38文字で改行をしてくれるだけで、あなたがメールの本文を入力しているときは何文字でも画面表示が可能な限り文字を並べることができます。あなたの画面では読みやすいと思っても、39文字以上の文字列は自動改行されますので、必ず38字以内で改行してください。
Becky! については、自動改行の設定をしていても、コピーした文字を貼りつけると自動改行されません。注意が必要です。
●「署名」持つ意味と役割
署名──シグニチャとも呼ばれますが、これはメール本文の末尾に付けることが“お約束”となっています。署名の内容は氏名、会社名、住所、メールアドレス、WebサイトのURL、電話番号、FAX番号など、自分が相手に知らせておきたいものを記載しておきます。
ビジネスメールにおける署名の役目は、相手があなたとメール以外の方法で連絡を取りたいと思ったときに便利なように、という配慮です。ですから携帯番号やサブのメールアドレスを入れておくのも良いでしょう。ただしこれは個人情報ですので、どんな相手にも住所・電話番号をバッチリ記載している署名を使うのではなく、ある程度の使い分けは必要です。
最近では署名に絵文字や顔文字を駆使して個性を演出する人も多くなっていますが、基本的には4~5行程度におさめておくのがベターです。常にダラダラと長い署名がついたメールを送っていると、野暮ったい感じになります。
署名には先に述べたような連絡先の案内とは別に、手紙でいう「かしこ」や「敬具」のような結語の意味もあると言われています。相手とはすでに名刺交換をしたことがある、頻繁に会ったり、電話で話ができている間柄なら、こういった署名もアリでしょう。
最も不作法なのが、署名ナシのメールです。“ヘッダがあるので、無くても困りはしない”という感じを持つかもしれませんが、“メール本文の締まりが悪い”とも言えます。
ほとんどの電子メールソフトには署名の自動貼付機能があります。
Outlook Express:「オプション」画面の「署名」タブで設定が出来ます。
Becky! :「メールBOXの設定」画面の「メール作成」で設定が出来ます。
複数の署名を作っておき、相手によって使い分けるようにすると良いでしょう。
第3章 メールでのマナー
●テキストとHTML
HTML形式とは、ホームページと同じ形式で作られているメールです。そのため、文字の色や大きさを変えたり、音楽までつけることが可能です。
ただし、こちらのパソコン環境に準じて作ってしまうため、相手側が対応していないと、文字が化けてしまったり、スパムメールとしてはじかれてしまう場合もあります。
テキスト形式とは、文字で構成されているため重さも軽く、パソコン環境に関係なく開くことができます。ただし、機種依存文字を使用すると文字が化けてしまうので、注意が必要です。
Outlook Expressでは、初期設定がHTML形式になっていますので、下記の方法でメール形式を変更します。
Outlook Express:
「ツール」→「オプション」→「送信」のタブの「メール送信の形式」から設定できます。ビジネス用にぜひ変更することをおすすめします。
ただ、通信環境が整ってきた今日では、多くの情報を伝えるために、企業からのメールマガジンなどでもHTMLが使用されるケースが増えてきました。
ビジネスメールにおいても、以前のように、「何が何でもテキスト形式!」という習慣はなくなったようです。
●行間をあけて、読みやすくする
メールはできるだけ短くするのが原則ですが、長い内容のメールでは、ずらずら書き続けず、行間を開けて読みやすくしましょう。必ずしも改行ごとに空白を入れる必要はありませんが、5行を目安に段落をつけ、空白行を入れるように心がけましょう。
●受信文を引用する際の注意点
返信ボタンを使うと自動的に相手のメールをコピーするので便利ですが、引用は必要最低限におさえましょう。引用文がないと、何に対する返事かわからないことがあります。しかし、全文引用していて、こちらの言葉が「わかりました」や「了解しました」だけでは、手抜きのように見えたり、相手に不快感を与えてしまうことにもなります。
●記号を使って効果的に見せる
●、★、※、*などの記号を使って、文章をわかりやすく見せましょう。例えばメールの見出しにつけたり、同じ記号をいくつか並べて罫線やアンダーラインとして使うのも効果的。ただし、あまりいろんな記号を乱発させないことと、記号の組み合わせにひと工夫をすることを心がけましょう。例えば●と○という組み合わせよりは●と☆のように形を変えたほうがより、鮮明でわかりやすく見せることができます。
●メールと手紙の使い分け
まず、不幸の知らせには、親しい間柄でもメールを使うのはNG。遺族にメールであいさつを送るのは、電話でお悔やみの言葉を述べるぐらい失礼にあたります。一方、祝いごとは基本的にメールを使ってもかまいません。結婚、昇進、出産、就職などこうした祝いごとは、フォーマルであることよりも、なるべく相手に早く祝う気持ちを伝えることが大切だからです。ただし、同じ祝いごとでも、あまり親しくない相手を義理やしがらみでフォーマルに祝わなくてはならないというときはメールは使えません。こういう場合は、本人だけでなく、周囲にも見える形で、例えば正式なお祝い状を送るか、祝電を打つなり、花を贈るなりなどしたほうがよいでしょう。
●メールと電話の使い分け
メールの最大のメリットは、「好きなときに読める」ことです。しかし、逆を言えば「相手がいつ読むのか、わからない」とも言えます。ですから、急ぎの用件にはメールでの連絡は不向きです。例えば、「明日中に返事が欲しい」といった内容を前日の夜にメールしたとしても相手が立ち寄りで夕方帰社予定だとしたら、当然、返事はできないでしょうし、出張に出ている可能性だってあります。急ぎの用件であれば、やはり電話と併用したほうが無難。また、相手が超多忙な場合もあるでしょう。細かい内容をメールで送った上で、電話を一本いれておくのが、能率的かつ失礼でない方法。時と場合を見極めて、上手にメールと電話を使いわけましょう。
●メールを受け取ったら、返信する
メールの弱みは相手がメールを見たかどうか、確認できないこと。だから仕事関係のメールは、読んだらすぐに返信をしましょう。メールは今や重要なビジネスツールのひとつ。あまり返信が遅れるようでは「メールも扱えない人」とマイナスイメージを持たれかねません。たとえ返事に時間を要する内容でも、とりあえずは読んだ旨の了解メールぐらいは出しておくべきです。「結果をお返事するのに、○日ぐらいかかりそうです」など、ひとこと付け加えておけば相手も安心できるので、なおよいでしょう。
●半角カナや機種依存文字は使用しない
半角カナは基本的にメールで使用してはいけません。日本の多くのパソコンメーカーは文字コードとして「シフトJIS」を採用しています。シフトJISでは半角カナに8ビットを割り当てていますが、インターネットでは7ビットなので、8ビットの半角カナとの間にズレが生じ、文字バケが起こきてしまうのです。また、特種文字など「機種依存文字」の使用も控えます。機種依存文字とは、パソコンの機種によって違う文字コードを使っている文字。基本的にキーボードに表示されている文字はそんなに問題ないですが、単位やマークといった記号などで表示する文字は、MacとWindows共通で表示されない可能性が高いので使わない方が無難です。
【機種依存文字の例】№㏍℡㊤㊥㊦㊧㊨㈱㈲㈹㍾㍽㍼㍻
㍉㎜㎝㎞㎎㎏㏄㍉㌔㌢㍍㌘㌧㌃㌶㍑㍗㌍㌦㌣㌫㍊㌻
①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮⑯⑰⑱⑲⑳
ⅠⅡⅢⅣⅤⅥⅦⅧⅨⅩ
●顔文字の使用は、TPOをわきまえて
顔文字は、使い方によって親しみのあるメールになりますが、例えばすべての文末につければ、うるさいだけでかえって読みにくいメールになりがちです。ビジネスメールにも、基本的に顔文字の使用はさけたほうが無難です。顔文字は1歩間違えると、ふざけた印象や、人を馬鹿にした態度と受け取られる可能性があるので、状況をわきまえて使うようにしよう。
●メールに添付するデータ
テキスト形式のメール本文には、例えばデジカメの画像やエクセルでつくった表計算データを入れることができないので、そういうものを送りたいときは「ファイル添付機能」を使うことになります。そのときに注意したいのは、相手のメールソフトのファイル添付の方式。メールソフトのファイル添付方式は、ウインドウズの「MINE」マックの「BinHex」UNIXの「uuencode」の3種類です。送信側と受信側の変換方式が違うと、文字化けが起こります。また、画像ファイルはOSが違うと開かなかったり、エクセルやワードを持っていない人にそれらで作成した書類を送っても開くことができないので、作成したアプリケーションは明記しましょう。また、テキストファイルで数行の文書なら、わざわざ添付せず、直接メールの本文に入力したほうが、相手に親切です。
最近はカメラの画素数が飛躍的に大きくなり、それに伴って画像データの容量も大きくなっています。デジカメで撮った写真をそのまま送ろうとすると、その写真1枚だけで2MBを超えてしまうということがあります。
ビジネスでメールを使用する場合、添付データの大きさは2MB以内程度が好ましいように思います。企業によっては2MB以上のデータが添付されたメールの受信は受け付けないという設定の場合もあります。
写真を添付する場合は、必要に応じてサイズをあらかじめ小さくしてから添付するということが大事です。そのほか大きなサイズのデータを添付する場合は、事前に必ず相手のメール受信環境を聞いてみましょう。
大きなサイズデータを扱う場合の対処方法として、「無料大容量ファイル転送サービス」もありますから覚えておきましょう。
【参考】
データ便、FileTruckなどのサイトが無料でサービスを行っています。
また圧縮ソフトを使って、データを小さくするという方法もあります。
【参考】
ファイルの圧縮とは、ファイル内容を置き換えて保存形式を変更し、ファイルサイズを減らすことです。ファイルを圧縮することで、ファイルサイズが10分の1程度にまで圧縮されることもあります。ファイルの解凍とは、圧縮されたファイルを元に戻すことです。
圧縮することをアーカイブ(書庫)、圧縮したファイルのことをアーカイブファイルとも呼びます。
音楽ファイルや画像ファイルには、それほど圧縮の効果はありませんが、ワードやエクセルなどテキストが多く用いられているファイルには絶大な効果を発揮します。LZHやZIPなどのソフトがポピュラーです。